前回、白檀グッズをご紹介した記事で、
ちらっと楊貴妃の話題が出たので追記します。
楊貴妃とは
楊貴妃の「貴妃」とは、中国唐代の皇妃の順位を表す称号のことで、
苗字が楊(よう)、名前を玉環(ぎょくかん)といいます。
※ちなみに、英語では楊貴妃を「Yang Guifei(ヤンコイフェイ)」という
西暦700年代に実在していた絶世の美女で、
クレオパトラ、小野小町と並んで「世界三大美女」とされる女性です。
※中国四大美人(楊貴妃、西施、王昭君、貂蝉)の一人でもある
当時の皇帝が楊貴妃を愛しすぎたことから戦乱が起きてしまったため
傾国の美女とも呼ばれています。
壁画などから見ると、楊貴妃は豊満な女性であったとされ、
歌や踊りの才能に秀でていました。
純粋な漢民族ではなく、ペルシャ系との混血だったという説もあるそうです。
エキゾチックな魅力の美人だったのですね。
そして、楊貴妃を語るうえで欠かせないのが、
「香り」です。
楊貴妃は生まれた時から良い匂い
楊貴妃は、ただ顔が美しいというだけでなく、
「とてもかぐわしい体臭に包まれていた」といいます。
庶民の出身でありながら、
「生まれた時には室内に芳香が充満した」
という何ともすごい逸話が残っています。
香りと記憶には、深い関係がありますから、
美しい顔、良い香り、なめらかな白い肌の質感もあいまって、
多くの人の五感を刺激し、心に深く残ったのかもしれません。
また楊貴妃は、赤い涙を流し、
多汗症で赤い汗をかいたという説もあります。
もともと体臭が強いタイプだったのでしょう。
毎日香りを好んで使用していた
そして、さらに。
楊貴妃は香りにも凝っていました。
彼女が澄んでいた「沈香亭」は、
かぐわしい香りの白檀で作られていました。
そして、素材が白檀というだけでなく、
壁には乳香や麝香を塗り込んでいました。
「沈香亭」という名前からして
すごく良い匂いに包まれてそうですね。
沈香亭では、彼女が好んだクチナシや木蓮のお香が毎日焚き染められ、
口には丁子や沈香を入れ、噛んだりもしていました。
そして、楊貴妃はライチを好んでよく食べていました。
さらに、玄宗皇帝から賜った麝香入りの匂い袋を身に付けていただけでなく、
体臭対策のために麝香を体に塗っていたという説もあります。
麝香は、ムスクのこと。
天然の麝香はさぞかしかぐわしいのだと思います。
もとからあった強めの体臭に、
麝香、沈香、丁子(ベースノート)
乳香、木蓮、クチナシ(ミドルノート)
ライチ(トップノート)
とバランスよく香りをまとっていたのですから、
すごいものです。
これで、お花のお茶を飲んだり、
柑橘系の果実を食べたりしたら、
さらに豊かなトップノートになるので・・・
もう、完全な<歩く香水>ですね!
ただでさえ美人とされた楊貴妃の女性像に、
豊かな香りのイメージが加わると、想像力が膨らんで、
ますます美しいと思えてしまうのでした。